不良債権を積極的に処理すると言えば、これまでならば赤字決算になろうと、将来に向けて展望を開く前向きの対応だと評価されることが多かった。
しかし、今回の決算は、問題の処理が本当に難しいことを、また、銀行の体力の衰えを強く印象づけるだけだった。
今回の決算で最も関心を集めたのが、不良債権が膨れ上がったことだった。
大手銀行は今回から、アメリカのSEC(証券取引委員会)の基準で決算を公表することになった。
大きな変更点は、不良債権に、これまでの6カ月以上だけではなく、3カ月以上元利の返済が滞っているものも含めることにした1930年代のアメリカは、日本の経済の現状と同じくデフレに苦しめられた。
当時の金融不安の第1波は29年から30年秋で、地方の小銀行が倒産。
第2波の30年暮れから31年には、ニューヨークの大手銀行や五大湖周辺工業地帯の都市銀行にも飛び火。
32年は政府の銀行支援で銀行閉鎖は半減したが、翌33年3月の第3波では、すべての州が「バンク・ホリデイ」を余儀なくされ、アメリカの金融システムは事実上、崩壊した。
この結果、大手銀行の不良債権は8兆7700億円で、従来の基準で計算した数字と比べ50%も膨れ上がった。
そして、こうした問題融資が焦げついて返済不能になった時に備え、貸し倒れ引当金を積む形で多額の不良債権を償却し、償却の総額はおよそ皿兆円と史上最大の規模となった。
かねてより、不良債権は公表数字よりはるかに大きいと指摘されていたが、今回の発表でこれが裏付けられた。
そして、これでも銀行はもっと悪いデータを隠しているのではないかと、不信感をさらに募らせることになった。
また、今回の結果は単に公表基準を変えただけでなく、実質的にも大幅増になっており、問題の大きさと難しさを印象づけることにもなった。
旧基準で見た場合、89年3月期は2兆4400億円だったのに対し、今回は直接償却して不良債権から外れた分が3兆5000億円あったから、実質的には5兆200億円で、6%も増えた計算だ。
今回は、破綻したT銀の不良債権が落ちたにもかかわらず総額が増加している。
この間、倒産したT銀の子会社や東食への融資は、これまでは正常債権第三次金融危機は来るか設や不動産業界の動きである。
バブル崩壊の後遺症が一番厳しい業界だが、銀行はこれまで、いわゆる「追い貸し」で問題の先送りを図ってきた。
しかし、いつまで待っても事態が好転する兆しはない上に、銀行の融資残高を膨らませるだけだ。
銀行は、こうした融資の多くを正常債権として扱っているが、大半は不良債権になったと見られる。
銀行が体力をなくしていく中で、こうした不良債権が何の手当もされないまま膨らみ続けることは、結果として命取りになりかねない。
銀行にとって、もはや経営の苦しい建設・不動産の延命に手を貸し続けることはできない状況だ。
問題は、仮に、銀行がこうしたゼネコンに対する支援をうち切った場合、相手の会社が破綻して銀行自身も返り血を浴びることだ。
つまり、隠れた不良債権が一気に表面化するので、この手当のために自分の経営の屋台骨にも響きかねない。
一方、アジアの経済危機も銀行経営に重くのしかかっている。
01年6月時点で、日本の銀行はアジアにも火種と見なされていたが、倒産で突然、不良債権になってしまったように、債権の中身が日に日に悪化、劣化しているのだ。
それでは、今回の措置で本当に不良債権の処理にメドをつけることができたのだろうか?新基準で見た場合、不良債権に対する貸し倒れ引当金の引当率は8%だから、あと7兆9300億円の手当をする必要がある。
これを、銀行の本業から上がる業務純益3兆5600億円で割ると2.2となる。
つまり、利益を全部突っ込めば2年あまりで処理できる計算で、何とか射程距離に入ったという見方ができるかもしれない。
しかし、問題はそう簡単ではない。
不良債権は今後も膨れ上がる恐れがあるし、銀行の体力が衰えて償却の原資にこと欠いているからだ。
先に触れたように、不良債権は景気の悪化によって債権の中身が劣化している。
バブル崩壊後の企業経営はいわば体力勝負で、借金を抱えながらどれだけ頑張れるかの我慢比べだったが、長い不況で、さすがに体力が弱って持ちこたえられずに倒産する企業が増えている。
景気が回復しない限り、こうした傾向はさらに顕著なものになるだろう。
焦点は、建盛りすることはないが、聡明でない銀行の経営者は、これを隠れ蓑に杜撰な経営をしてきた。
大手銀行の株式の含み益は2兆2400億円だが、この4年間で3分の1以下に減ってしまった。
そして、7行は含み損を抱えることになった。
要するに大手の銀行は、蓄えをすっかり吐き出し、毎日の生活費を日銭収入でまかなわなければならない状態にまで追いつめられてしまったのだ。
その日銭を稼ぐ銀行の収益力も低下している。
自己資本比率を達成するために貸出を圧縮したり、不良債権の処理で多額の貸し倒れ引当金を積んだために不稼働資産が増えたのが原因だ。
不稼働資産は、不良債権の処理が帳簿上の問題にとどまっている限り、いつまでも塩漬けだ。
本来ならば融資や投資で利益を上げなければならないのに、それができずに手も足も出ない。
いつまでも過去のツケに窮々とし、後ろ向きの対応に忙殺されるため、ますます、前向きの仕事から遠ざかるという悪循環になっている。
世界に目を転じると、日本の金融機関の力不足が一段と浮き彫りになる。
海外では、巨大な金融機関が次々と誕生している。
アメリカで巨大銀行が誕生向けに2700億ドル(3兆円相当)を融資しており、各国で最大だ。
今回の決算で、あわてて貸し倒れ引当金を積み始めたがほんの一部にとどまっており、アメリカやドイツの金融機関がいち早く多額の処理に踏み切ったのに比べると対照的だ。
しかも、こうした融資が不良債権になるだけでなく間接的な影響も懸念される。
例えば、大手商社7社は朋年3月期の決算で、アジア向けの投資、融資、債務保証、それに貿易債権が、およそ2兆6000億円と巨額に上っている。
商社も建設や不動産と同じように多額の借金を抱えているところが多いだけに、こうした投融資が不良債権になれば経営に重くのしかかることは間違いない。
となると、商社に貸し込んだ銀行も無傷でいられるはずがなく、ここからも、不良債権が膨らむ危険をはらんでいる。
こんなふうに不良債権がさらに膨れ上がる危険を抱える一方で、日本の銀行は体力をすっかり弱めている。
不良債権の処理のために手持ちの資産を売却したり、株の含み益を吐き出したためだ。
株の含み益と言えば家計でいうとWへそくり"みたいなもので、賢明な主婦ならばへそくりを前提に家計を切りしたニュースを聞いて、大手都銀の首脳は、「日本の金融機関は、これで二周遅れになってしまった」と慨嘆していた。
不良債権処理の遅れですでに一週遅れだというのに、海外のライバルは21世紀をにらんだ戦略を次々と打ち出し、猛スピードで日本の銀行をもう一周抜いたというわけだ。
6月にはNk証券とTzの提携というビッグ・ニュースも飛び込んできた。
日興は筆頭株主の東京Mb銀行を退け、敢えてアメリカ企業の傘下に入った。
コンタクトレンズを求める人が急増しています。コンタクトレンズといえばこちらのサイトです。
コンタクトレンズのルーツに迫ります。コンタクトレンズのユーザーの声が届いています。
近未来的なコンタクトレンズのルーツに迫ります。人気のコンタクトレンズが半額キャンペーン中です。



